進歩制度
 班制度と共に、ボーイスカウト独特の二大制度の一つ。

 「班制度」によって、集団の中にある少年がチームワークを通して、「信頼」される社会人に成長させ、「進歩制度」ではあらかじめ設定してある課目を、スカウトが自発的に挑戦し、履修することによって、立派な社会人になるための「資質」を伸ばして、人間的成長を図るもので、班制度・進歩制度とも、どちらも欠くことのできない制度である。

 両親や社会の人々が少年に期待していることは、少年が健康で、将来よき社会人として社会に役立ち、幸福な人生を送ることができることを望んでいる。
 大人はこのように考え、少年をボーイスカウトに人隊させるのであるが、ボーイスカウトに人隊したいという大部分の少年は、大人の期待とは関係なしに、ボーイスカウトに入ると何か面白いことがありそうだと思って入隊してくるものである。

 この大人達の願いに、少年達がやりたがっていることを組み入れてやれば、少年達は喜んで楽しみながら、大人達が希望する将来への道を進んでくれる。
 (大人の願い)+(少年の好奇心)→(進歩制度)

 ベーデンパウエルは「金箔ぬりの丸薬」という言葉を使っている。日本流に言えば「糖衣錠」であろう。少年には甘くて飲みやすいが、中味は体によく効く苦い薬が「進歩制度」であると考えてもよいだろう。
 スカウト教育でいうところの進歩制度とは、大人と少年の両方を同時に満足させるために考案されている。

 スカウトが進歩し、向上するためには、どのようなことをやらせたらよいのかということを、年齢や能力、興味に合わせて、やりとげるのに適した程度の課目に設定してある。
 さらに、進歩制度は単なる目標を提示するだけのものではなく、スカウトがその課目に挑戦し、自ら進んで技能や知識の修得に熱中し、やがてそれらの技能が一定の水準に達すると、その記章を与えて表彰する仕組みになっている。
(進歩制度のねらい)

(1)

意欲的な自発活動により、目標に向かって計画性と、最後まで成し遂げる実行力を身につける。

(2)

楽しみながら進歩課程に進ませ、技能のみならず、身体的・知的進歩を図る。

(3)

ちかい、おきて(カブはやくそく・さだめ、ビーバーはやくそく・きまり)を日常生活の中で実践する努力をすることによって、人格の形成と、精神的進歩を図る。

(4)

自分の人生に自信と勇気を与え、健康と技能を社会に役立たせる。
※ いずれもスカウトの自発活動が基本になっている。

 スカウトの進歩課程には、スカウトとして必ず身につけておかなければならない内容の(必修課目)と、幅広い豊かな人間性を備えるようにと設定された(選択課目)がある。
 カブスカウトの必修課目は「修得課目」、選択課目は「矢章課目」(平成2年からは「チャレンジ章課目」)。
 ボーイスカウトの必修課目は「進級課目」、選択課目は「特修章課目・技能章課目」。
※ ボーイスカウト部門の進歩制度は平成14年9月から1年間の移行期間を経て、
平成15年9月より「新しいボーイスカウト部門進歩課程」がスタートした。
 ベンチャースカウトの必修課目は「進級課目」、選択課目は「技能章課目」である。