老善の杖 〈ロウゼンノツエ〉
 場面は電車の中、座席に空席はなく、一人の若者が我が者顔で座っていた。
 立っているのは年老いた二人の紳士。
 一人の老紳士は、ステッキを持って立っている。

 と突然、その老紳士はよろけた振りをして若者にぶつかった。若者は「どうぞ」と言って、老紳士に席を譲った。
 すると、老紳士は、もう一人の老紳士に向かって、「どうぞ、お座り下さい。」と言って、席を譲った。

 このステッキを持った老紳士は、古田誠一郎(日本連盟先達)であった。
 老人が老人を助ける正義の杖として”老善の杖”と皆から呼ばれるようになった。